Join us会員登録はこちら
Action

アクション

2023 01/19 木曜日
開催レポート
1月19日【積丹町ブルーカーボンセミナー】が開催されました!
活動報告

1月19日【積丹町ブルーカーボンセミナー】が開催されました!

水産業の未来を考える「ブルーカーボンセミナー」

2023年1月19日(木)、積丹町主催による「ブルーカーボンセミナー」が積丹町総合文化センターにて開催されました。
本セミナーでは、環境と水産業(経済)の好循環による漁村地域の活性化を図ることを目指して、自治体と企業連携による新しい地域活性化プロジェクトの構築に向けて考えるものです。

ブルーカーボンをテーマとしたセミナーを開催するのは、町にとっても初めての試みとのこと。
積丹町職員の方による一言でスタートした新しい取り組みです。

海森計画からは、令和4年度の取り組みが漁村地域における多様な資源を活用した地域づくりに貢献しているとして、事例発表されましたのでセミナーの様子も含め是非ご覧ください!

ブルーカーボンセミナーのチラシ

会場の様子、企業や漁業者・町の事業者が参加

 

ブルーカーボンとは?

ブルーカーボンとは、コンブ等の海洋植物が光合成をおこなう際に海に吸収された、二酸化炭素(CO2)由来の炭素のことを言います。

二酸化炭素の吸収というと、森林の植物による光合成を思い浮かべる方が多いかもしれません。
森林や陸植物によって貯留される炭素を「グリーンカーボン」と呼びますが、
実は、海の中でも陸植物と同じように大気中の二酸化炭素の吸収が行われているのです。

その正体は、海にある「藻場」です。

世界的に脱炭素の取り組みが推進されている中で、藻場で吸収する二酸化炭素(CO2)「ブルーカーボン」による気候変動緩和策が、今注目されています。
海底に蓄積した炭素は、数千年間の長期保存がされることとなりますが、この吸収分を「ブルーカーボンクレジット」として事業化することができれば、漁業者の藻場の再生と新たな収入に繋がるとして期待されているのです。

積丹のコンブ
浅瀬で貯留されるブルーカーボンは海洋全体の80%になる

 

積丹方式!ホソメコンブの増産で磯焼藻場の回復を!

積丹町では、ブルーカーボンクレジットや漁港水域の有効利用の可能性を考えるために、「循環型藻場造成」が実践されています。

美しい積丹ブルーがある背景には「磯焼け」があり、
藻場の減少が進むことによって起こるコンブ不足は、ウニが育たなくなる漁獲不可の原因ともなっています。
この負の連鎖から脱却するために、漁業者の皆さんのによって行われてきた取り組みが、
2009年から行われてきた、藻場造成活動である「海の森づくり」です。

「海の森づくり」はウニ殻を肥料として活用しホソメコンブを養殖する等が行われており、
これにより、質の良いウニを育て安定的な生産につなげる試み等が行われてきました。

この活動は「資源が循環するまちづくり」に寄与しているとして、以下の功績を残されています。
令和3年3月2日 第26回 全国青年女性漁業者交流大会 農林水産大臣賞 受賞
令和4年10月20日 総務省主催 過疎地域持続的発展優良事例表彰 全国過疎地域連盟会長賞 受賞

受賞表彰状と
漁師さんと共に活動をしてきたウニ博士(積丹町水産技術指導員 水鳥純雄氏)

積丹の漁師さんが、長年活動を続けてきた「海の森づくり」。
磯焼けと戦う漁業者の皆さまを海森計画は応援致しております!

セミナー事例発表:『「ウニから始まるSDGs」磯焼けと戦う漁業者が発見した“積丹方式“』
講演者:積丹町農林水産課 水産技術指導員 水鳥純雄氏

 

海のCO2吸収源を経済価値へ!ブルーカーボンクレジットの取り組み

ブルーカーボンクレジットとは、コンブ等の藻場が吸収したCO2 の吸収量を、価値のあるものとして国が認め企業や自治体が売買できる仕組みです。

これは、温室効果ガスを排出する企業が削減努力に務めるも、どうしてもゼロにできない排出量において、ブルーカーボンを保有する自治体からクレジットを購入して「埋め合わせ」するという調整方法です。
これにより、企業は温室効果ガスを間接的に削減でき、環境保全への取り組みを支援することが可能となります。
企業から得た購入費は、自治体によって活動資金・人材面の状況改善にあてられる仕組みです。

漁師さんたちが取り組んできた「海の森づくり」によってコンブ等の生産が増えれば、
吸収されたCO2が温暖化対策にもつながると同時に、クレジットとして販売が可能となると水産経済に好循環が生まれます。

企業と積丹町による「カーボン・オフセット」への挑戦はまだ始まったばかり!
環境分野からも目が離せません!

ブルーカーボンクレジット循環のイメージ図

講演:『ブルーカーボンクレジットについて』(ブルーカーボン機能と、ブルーカーボンクレジットの仕組みと運用・活用について)
講演者:ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE) 理事長 桑江 朝比呂氏

これからの期待が高まる「海業」振興

海業(うみぎょう)とは、漁村地域に住む人々が海や漁村に関する地域資源の価値や魅力を活用して所得機会の増大を図る取り組みです。

漁村では、全国平均を上回る速さで過疎化が進行していることによって地域活力が低下しており、漁村の賑わいを創出していくことが重要な課題となっています。
そのためには、漁村ならではの価値や魅力を活かした海業の振興により地域の所得向上を雇用の拡大を図ることが必要なのです。(参考:水産庁HPより)

新聞等のメディアでも、「海業」の文字を目にする機会が増えてきました。
水産界隈では、今注目となっている話題です。

海業には様々な分野があり、
・漁港を活用した養殖
・水産物の加工品販売
・漁村を活かした体験(渚泊)
・漁業体験
・海が見えるカフェ …など多岐に渡ります。

道内だけでなく、全国の漁村地域に賑わいを取り戻すことを目的とした「海業振興」
是非、積丹町の今後の動きに注目ください!

講演の様子
これから舞台となる美しい積丹ブルーの海

講演:『カーボンニュートラルに向けた漁港・漁場におけるブルーカーボンの取り組み』
講演者:水産庁 漁港漁場整備部 整備課 課長補佐 不動 雅之氏

 

「ブルーカーボン」と「海業」への期待を込めた海森活動

海森計画からは、今年度の「鍋アドベンチャープロジェクト」「ウニの学校」等の体験プログラムや、
積丹ジンを通した海森活動が、海業の漁村地域における多様な資源を活用した地域づくりに貢献しているとして事例発表が行われました。

事例発表を行う様子

海森計画のはじまりは、町内で旅館宿を営む方が「宿を継ぐ良い人はいないか?」と人材を探しているところから構想が始まりました。
宿や旅館を継ぐ、あるいは新しい挑戦を試みるために来た移住者など…
新しく来た人が町に溶け込むためには積極的にコミュニティに参加し、町民の皆さんに存在を認めて頂くことが非常に重要です。しかし、それが難しいのが課題でもあります。

このような背景をもとに、海森計画は、
地域住民と新しい参画者との間に位置し、積丹半島の活性化に尽力する双方の信頼醸成を促進する仕組みとして誕生いたしました。

そして、今年度の活動で大切にしてきたことは、「町民の皆様との顔の見える関係づくり」です。
自治体・町内事業者の皆様・新規事業者の皆様が一体となって、イベントやツアーを作り上げることで、
お互いがどのようなことをやっているのか、どのような人たちなのかを知って頂く機会を作ることが出来ました。

「海森計画」は、皆さんと共に地域の大切な資源を盛り上げるためにあるプラットホームです。
皆さま、是非「楽しい」「美味しい」「参加する」で一緒に町を元気にしてみませんか?

海森会員へのご入会はこちらから!
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
SHAKOTAN 海森計画 – 自然と拓く未来。 (umimori.club)

事例発表:『海・森の価値を共有し、輝きを取り戻そう!』(漁村の多様な資源の活用と官民連携による地域づくり)
講演者:㈱積丹スピリット 代表取締役 岩井宏文

 

【積丹町ブルーカーボンセミナー】

2023年1月19日(木)10:00~16:00
場所:積丹町総合文化センター
主催:積丹町

 

海森事務局&積丹やん集小道協議会 小山

Report活動報告

すべて見る